第130回関西形成外科学会学術集会

ご挨拶

会長 井上 唯史 第130回 関西形成外科学会 学術集会
会長 井上 唯史

このたび、歴史ある関西形成外科学会の第130回学術集会を主催させていただくことになり、身の引き締まる思いでおります。

ご承知のとおり、形成外科は、体に生じた組織の異常や変形、欠損、整容的な不満足に対して、機能的、形態的、整容的な治療を行う専門領域です。形成外科で取り扱う疾患は、先天異常、腫瘍、外傷、美容と多岐に渡り、その治療には、幅広い医学知識と専門的な技術が必要とされています。形成外科の創生期から皮膚移植の治療を行ってきたことから、再生医療、移植医療に深く関わってきた診療科でもあります。

関西形成外科学会は、全国的にみても形成外科の創生期からあり、2021年現在、会員数は1,000名を超えます。年に3回行われている同学術集会も、今回で130回目を迎え、古い歴史があります。若手医師の初発表や、開業医の先生の日常診療における知見の発表が多いのも、本学会の特長の一つです。

今回の学術集会では、終末期医療と災害医療の分野から共通講習と領域講習を企画しました。日本形成外科学会 共通講習として、終末期医療のアドバンス・ケア・プランニング(ACP:人生会議)について、神谷亨先生 ( 洛和会音羽病院 感染症科 )にご講演をお願いしています。また、領域講習として隅田靖之先生 ( 洛和会音羽病院 救命救急センター・京都ER ) に、京都アニメーション放火火災における京都市および洛和会音羽病院の対応についてのご講演をお願いしています。

新型コロナウィルス感染症の流行や参加者の利便性を鑑み、関西形成外科学会で初のオンライン開催としました。多数の会員が参加しやすく、議論が活発にできる学会になるよう、工夫しています。本学会の運営を通して、今後の同学術集会がSDGsの理念に沿った集会になるよう、尽力する次第です。