第8回日本脊椎前方側方進入手術学会(JALAS)

第8回日本脊椎前方側方進入手術学会開催にあたって

会長 宮本 敬 会長 岐阜市民病院整形外科部長 宮本 敬

この度、2022 年1月29 日に開催予定の第8 回日本脊椎前方側方手術学会を主催させていただきます大役を賜りましたこと、心より光栄に存じております。本会はこれまで7回の学術集会を行いました。いずれも、脊椎前方側方手術についてのエキスパート、そして本手術に関連する他科ドクターによる講義を主体とした教育的な内容でした。特に側方進入椎体間固定(LIF)の普及に伴ういわゆる脊椎前方手術の復興という時代を意識して、安全な手術遂行、ひいては患者さんへの福音を願う本会の姿勢が反映されてきました。事務局長の金子慎二郎先生をはじめとする幹事の先生方のご尽力により、前年度より研究会から学会となり、ますますの盛り上がりが期待されています。既に、本学会開催に際して、多くの企業、団体、個人からの協賛やご寄付を賜っており、厚くお礼申し上げます。

さて、現況はと言えば、COVID の第6波の到来、そして、オミクロン株の蔓延の危惧など、我々の臨床・学会活動に大きな影響がありそうな気配です。昨年9 月に完全オンライン形式での開催を決定しましたが、“JALAS のミッションとは=教育的なプログラム、そしてオンラインの良さを生かした繰り返し視聴できる講演も導入する”というコンセプトにて以下の3 部構成で企画させていただきました。

1.ライブ講演 計18 講演(1.29 ライブ配信、一部を除いて2月中旬~2.28 配信)
2.オンデマンド講演 (JALAS ARCHIVE LECTURES) 計33 講演(1.29~2.28 配信)
3.一般演題 計57 演題(1.29~2.28 配信)

ご協力いただきました先生方に心より感謝いたしますとともに、オンライン開催の利点が十分に生かされ、皆様に“参加してよかった”と思っていただける学会となることを願っております。

私は岐阜大学にて脊椎前方側方手術を清水克時教授のもと学ばせていただき、本手術の長所・独特の切れ味に大きな魅力を感じました。一方、独特の合併症を少なからず経験し、マイナス面も学ばせていただきました。合併症については、講演にて紹介させていただいた機会も多く、前方手術の轍(わだち)にはまるリスクから何人かの仲間を救ったことになるかもしれません。そのようなご縁もあり、本学会の会長にご推挙をいただいたと認識しております。

友・仲間との懇親を大いに断ち切らざるを得ないCOVID-19 時代に、私は以前より凝っていた園芸にさらなる興味を注ぐことになりました。今回の学会のテーマは園芸用語の「活着」としました。「活着」の意味は「移植や挿し木・接ぎ木をした植物が、根づいて生長する」とあります。本学会の開催によって、1)脊椎前方側方手術が安全な手術として臨床現場に活着する、2)本学会が医学界に活着する、3)本学会で学んだ若手脊椎外科医が、それぞれの地域に、「安全な前方側方手術を行える外科医」として活着すること、を願っております。本抄録集の表紙は私の妻が撮影した世界遺産の白川郷(岐阜県)の合掌づくりの家々の夜景ですが、その近くにある荘川桜の歴史的な移植による「活着」(http://www.shokawa.net/introduction/452)はプロジェクトXでも取り上げられた感動的な事例です。

本会は、秋山治彦教授の主宰する岐阜大学整形外科外科学教室にもご協力をいただき、野澤聡事務局長をはじめ、関連の脊椎外科医が一丸となって準備にあたりました。また、岐阜大学整形外科同門会および、岐阜県臨床整形外科医会の有志の先生方のサポートもいただき、まさに、All 岐阜の仲間で準備させていただいたことになります。どうか、脊椎前方側方手術のベテランの先生方も、初学者の先生方も、大いに学び、ディスカッションを通じて交流を深めていただければ幸いに存じます。

(2022年01月17日)


第8回日本脊椎前方側方進入手術学会開催にあたって

-完全WEB開催とさせていただく方向です-

会長 宮本 敬 会長 岐阜市民病院整形外科部長 宮本 敬

この度、2022年1月29日に開催予定の第8回日本脊椎前方側方手術学会を主催させていただきます大役を賜りましたこと、心より光栄に存じております。本会はこれまで7回の学術集会を行いました。いずれも、脊椎前方側方手術についてのエキスパート、そして脊椎前方側方アプローチに関連する他科ドクターによる講義を主体とした教育的な内容でした。特に側方進入椎体間固定(LIF)の普及に伴ういわゆる脊椎前方手術の復興という時代を意識して、安全な手術遂行、ひいては患者さんへの福音を願う本会の姿勢が反映されてきました。事務局長の金子慎二郎先生をはじめとする幹事の先生方のご尽力により、前年度より研究会から学会となりました。今回も本学会の主旨を継承し、「解剖から学ぶ脊椎前方手術の勘どころ」、「他科より学ぶ前方側方手術の合併症の回避・サルベージ」、「脊柱変形における前方側方手術の使いどころ」、「脊椎前方手術のCutting Edge」等のセッションを予定しております。

さて、現況はと言えば、COVID-19の勢いはおさまることなく、目下、多くの都道府県は緊急事態宣言下にあります。感染者数は減少傾向にありますが、第5波に加えて今後は第6波の発生も危惧されています。当地岐阜も人口の割には感染者数が多く、2022年1月に予定しておりました本学会当地開催について、参加者の皆様の安全の保証が困難と判断いたしました。現在、本学会を完全WEB開催とさせていただく方向とし、用意をすすめさせていただいております。講義を主体とした本学会で、WEBでの講義を安全なご自宅でじっくりと聴講していただき、一方、進化したWEB学会の利点を生かし、活発な意見交換を行うことができたら、と願っております。

私は岐阜大学整形外科にて脊椎前方手術を清水克時教授のもと学ばせていただき、前方手術の多くの長所・独特の切れ味に大きな魅力を感じました。一方、前方手術ならではの合併症を多く経験し、リスク等マイナス面も学ばせていただきました。合併症について、これまでに講演等にて経験をシェアさせていただいた機会が多く、願わくは、前方手術の轍(わだち)にはまるリスクから何人かの仲間を救ったことになるかもしれません。前方手術とのそのようなご縁もあり、本学会の会長としてご推挙をいただいたと認識しておりますが、現在は、これまでの本会の実績を継承するべき充実した学会を開催することの重責を感じております。

友・仲間との懇親を大いに断ち切らざるを得ないCOVID-19時代に、私は以前より凝っていた園芸にさらなる興味・時間を注ぐことになりました。今回の学会のテーマは園芸用語の「活着」としました。「活着」の意味は「移植や挿し木・接ぎ木をした植物が、根づいて生長すること」とあります。本学会の開催によって、1)新技術を含めて脊椎前方側方手術が安全な手術として臨床現場に活着すること、2)本学会が、脊椎前方側方手術に特化し、教育を主体とした学会として、医学界に活着すること、3)本学会で学んだ若手脊椎外科医が、それぞれの地域の臨床現場に、「安全な前方側方手術を行える脊椎外科医」として活着すること、を心より願っております。本会のポスターは私の妻が撮影した世界遺産の白川郷(岐阜県)の合掌づくりの家々の夜景ですが、その近くにある荘川桜の歴史的な移植による「活着」(http://www.shokawa.net/introduction/452)はプロジェクトXでも取り上げられた感動的な事例です。

本会は、秋山治彦教授の主宰する岐阜大学整形外科外科学教室にも準備のご協力をいただき、野澤聡事務局長をはじめ、岐阜大学関連の脊椎外科医が一丸となって準備に邁進いたします。どうか、脊椎前方側方手術のベテランの先生方も、初学者の先生方も、奮ってご参加いただけますようよろしくお願いいたします。

(2021年09月13日)