第36回中部日本手外科研究会

会長ごあいさつ

第36回中部日本手外科研究会
会 長 柿木 良介
近畿大学医学部 整形外科 教授
会長 柿木良介

このたび、第36回中部日本手外科研究会を2019(平成31)年1月26日(土)、京都にて開催させていただくことを大変光栄に存じております。

最近の手外科分野の発展には目を見はるものがあります。まずは、手術周辺機器の発達です。近年、直径2mm前後のきわめて細い関節鏡が開発され、手関節、母指CM関節、遠位橈尺関節、指関節まで関節鏡視が可能となり、いままで治療が困難であった関節周囲の細かな靭帯等の治療ができるようになり、またより小侵襲で治療する事も出来るようになりました。顕微鏡の発達もめまぐるしく、50倍を超える倍率での手術も可能となり、直径0.3mm程度の細いリンパ管の縫合も出来るようになりました。また3次元モニター化も進歩し、顕微鏡下でなくとも、モニター下での手術が可能となっています。超音波も、その画像精度が高くなり、手領域の細かな病変に対してもその描出力が高くなりました。手術材料としては、橈骨遠位端骨折、肘関節周囲骨折に対しては、ロッキングプレートによる強固かつ精度の高い骨折整復により、早期からの可動域拡大訓練が可能となり、手術成績の向上に繋がっています。外国では、現在様々な人工神経が開発され、臨床応用もされています。近年日本でも人工神経の使用が認可されました。しかしながら、どの人工神経も自家神経移植の成績を凌駕できず、その成績向上に対し日夜研究がなされているのが現状です。

またもう一つの手外科領域の発展には、薬物療法があります。以前は、手術法しか治療法のなかったデュプイトラン拘縮に対しても、collagenase療法が開発され、その治療成績については、かなり高い評価が得られています。しかしまだその臨床適応に関しては、議論の余地があります。また最近問題となってきているのが、高齢者の骨粗鬆症性の上肢骨折です。手外科医は、その治療のみならず、その予防に対しても、もっと積極的貢献が要求されています。これはリウマチ手に関しても同様で、生物学的製剤の使用により手指変形はかなり予防されてきています。

今回の研究会では、これら手外科領域の最新のフロントラインについて討論し、我々の明日への治療につながる有益な研究会の開催を予定しています。また台湾E-DA病院院長のTu, Yuan-kun教授に、高度の整形外科再建手術に対してご講演頂き、手外科の技術向上にも貢献する研究会にしたいと考えています。

多数の演題ご応募と多くの皆様のご参加をお待ち申し上げます。