第64回日本心身医学会近畿地方会/第51回近畿地区講習会

会長ごあいさつ

新型コロナウィルスの感染拡大のため様々な影響を余儀なくされた皆様には謹んでお見舞い申し上げます。特に、医療従事者の皆様におかれましては、常に感染リスクを意識する日々の中、医療従事者としての責務を果たしておられることと拝察いたします。

この度、「『こころ』と『からだ』、そしてコミュニケーション~多様な視点から心身医療を問う~」とのテーマを掲げ、第64回日本心身医学会近畿地方会ならびに第51回近畿地区講習会を開催させていただくこととなりました。

全人的医療の必要性は改めていうまでもなく、この度の新型コロナウィルスの影響下においても感染そのものだけでなく、様々な情報やコミュニケーションが飛び交い、私たちは多大な影響を受けています。「こころ」も「からだ」も一人ひとりが異なるユニークな存在であり、様々なコミュニケーションに影響を受けながら癒され、ときに悪化することもあるでしょう。ここでのコミュニケーションとは、心と身体の相互作用という意味でもあり、また患者や家族、医療従事者等を含む関係者間のコミュニケーションという意味でもあります。この度の大会では医療とコミュニケーションについて多様な視点から眺め直すことで、より個別性が高く、質の高い医療サービスにつなげていくことに資することができればと考えています。

多様な視点の1つとして、特別講演には医療現場をフィールドとして研究を重ねておられる文化人類学者の磯野真穂氏(慶應義塾大学大学院研究員、「なぜふつうに食べられないのか:拒食と過食の文化人類学」(2015)春秋社、「医療者が語る答えなき世界:『いのちの守り人』の文化人類学」(2017)ちくま新書ほか著書多数)より「疾患カテゴリーが持つ時間性と空間性」とのタイトルにてお話しいただきます。私たち医療従事者の持つ「常識」を普段とは異なる視点から眺め直すことで、これまで以上に患者の立場に寄り添った医療サービスにつなげたいと考えております。

教育講演では、催眠やブリーフセラピーに造詣の深い津川秀夫氏(吉備国際大学教授)より「心身医療に役立つ『強み』の見方と引き出し方~ブリーフセラピーとポジティブ心理学に学ぶ」と題してご講演いただきます。さらにシンポジウムでは、このお二人に佐藤友亮氏(神戸松蔭女子学院大学教授、内科医、「身体知性」(2017)朝日選書の著者)と水野泰行氏(関西医科大学心療内科学講座、診療講師、医局長、心療内科医)の両氏に加わっていただき議論を深めていただきます。

第64回日本心身医学会近畿地方会/第51回近畿地区講習会
大会長 坂本真佐哉
神戸松蔭女子学院大学 副学長 人間科学部心理学科教授